大阪府堺市に建つ西陶器こども園へハイブリッドサーモシステム「ecowin」を32基納入致しました。
少子化の進展に伴い、児童数が減少する一方で、女性の社会進出が活発化するにつれ保育所の需要は増加をしています。社会環境の変化に対応するため、保育サービス産業は、独自の付加価値が求められています。
今回、設置させて頂いた西陶器こども園様は、温熱環境も充実していますが、その他、建物で使用されている素材の選定やとても広い伸びやかな空間設計、音響設備や厨房施設など、数え切れないほど、トータルでとても充実した素晴らしいこども園です。
建物は、鉄筋コンクリート造2階建、約325坪。0~5歳児保育室、一時預かり保育室、子育て支援室、遊戯室、ランチルームなどで構成されています。
今回エコウィンは、省エネ性と施工性、耐久性、デザイン性、そしてコスト面で、弊社エコウィンシステムをご採用頂きました。
事業主様、設計事務所様、元請の積水ハウス様、機械設備担当若林設備工業様と弊社への視察、現地視察等を行われて、最終的に弊社システムをご採用頂いております。
中でも従来型の放射式冷暖房システムの弱点であった、立上がりの悪さを大幅に改善し、当システムは従来システムと比べシステム水量が1/4と少なく、立上がりのスピードを飛躍的に高め従来システムの24時間運転推奨ではなくタイマー制御等も出来るようになり、より省エネルギー性が高まりました。
今回は、熱源機を8基納入し、集合によるON/OFF制御を行い、細かい制御に関しては、個別のリモコンで行うようになっています。
他社システムは熱源機を集中型にしたシステムであり、個別エリアの温度と運転制御が出来ませんでした。今回のシステムは、その点を改善し、エリアごとに個別制御ができるように8基の熱源機に分散して個別エリアの温度、運転の制御を可能にしております。0歳児から5歳児まで微妙に違う温度管理が可能になり、弊社システムにより、室内雰囲気を最適な状態に
保つ事が出来るようになりました。
夏場のピークカットも個別制御で可能になり、搬送エネルギーも大幅に低減し、更に高効率ヒートポンプの採用で、更にランニングコストも大幅に低減可能出来ました。
事業主様からは大変期待を頂いております。
エコウィンの下部ルーバーには、園児たちが物を入れたり、指を挟み怪我をしないように、裏板を取りつけました。発熱体は60φのパイプ形状ですので、ぶつかってケガをするリスクを抑制しています。また、エコウィンの内部の温水温度は通常運転の場合40℃~45℃程度で循環をさせますので、幼児用トイレに、近接した位置にエコウィンを設置していますが、ヤケドなどの心配はございませんので安心です。
今回のエコウィンは、床下スペースが無かったため、天井配管方式を採用しています。天井配管方式を採用したため、エコウィン両サイドの木枠は薄くすることが可能です。
エコウィンの素材は屋外で永年使用されております、アルミサッシュの仕上げ(耐候性が高いアルマイト処理(酸化被膜処理)JIS基準)を採用しています。耐食性を飛躍的に高め永年使用されても安心な仕上げとなっており、更に塗装仕上げと比べ、弊社独自ノウハウの遠赤外線放射率96パーセントの放射量を可能にした表面処理により、高い熱交換性を具現化しております。
エコウィンはアルミ製で軽く従来の輻射冷暖房パネルラジエーターと比較し半分以下(70kg弱)の重量になっており、竣工間際の施工であっても問題なく、(パネル搬入に重量物運搬設置の専門チームが不要)施工コストと作業性が飛躍的に向上します。
エコウィンの木枠も建物のインテリアに合わせて、染色を行っています。冷暖房パネルという機能性よりも、空間に馴染んだ家具のようなインテリア性が高まって好評です! エントランスホールに設置されているエコウィンタワーには、円型のベンチが付いており靴の履き替え時の腰掛の役割をになっています。
居室として最も広いランチルームと遊戯室の続き間は、施主検査の折り外気温度5℃程度まで冷え込んだ状況下のエアコン無しで室内温度22℃~24℃程度に心地良い暖かさでした。 先日、完成後に空気測定が24時間行われましたが、24時間を通して湿度が一定で安定していたことに対し、測定されていた方も大変、驚かれていました。
輻射によるドラフト感の無い健康快適な温熱環境を実現させており、お施主様からも喜びのお声を頂き、今後弊社システムのご紹介していきたいとのコメントまで頂いております。
設計監理者の安井設計様の指示でグローブ温度計による検証評価も合わせて行われる予定です。輻射冷暖房の省エネ性と快適性の解明が本件により更に具体的に行われる事となります。
32基あるエコウィンは、遠赤外線効果で全く温度ムラがなく、春の日差しを受けた縁側にいるような、とても心地よい温熱環境に包まれていました。